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野音のコンサート 

  
   新幹線を降りた、東京は、
   とても寒かった。
   いつもは、心がうきうき湧き立つ遠征だが、
   今回ばかりは、
   うれしいような、苦しいような、
   胸が痛くなるような思いだ。
   
   ぽつぽつと雨が時々落ちてくる中、
   チケットを見せて、会場へと入る。
   ステージの上には、
   いつもと変わりないようにスタンバイがされているが、
   それがかえっていつもでないものを感じてしまう気がした。

   17:00ちょうどに、宮本さんが登場。
   静かな、大きな拍手が、いつまでも鳴りやまない。
   「どうもありがとうございます。」 の言葉に、
   さらに大きな拍手が起こった。


   ちょっと咳払いをしてから 1曲目が始まった。
   「夢のちまた」。
   胸がいっぱいになる。
   でも、泣かない。
   今日は絶対に泣かない。
   泣くのは、エレファントカシマシが、
   再び戻ってきた時、と決めてるから。

   歌い出し、声が少しかすれ気味で、息もやや苦しそう。
   高音がかすれたり、やや裏返ったりもしている。
   
   しかし、すぐにいつもの宮本さんの歌声に戻って行った。
   そりゃ、緊張するわな。
   この2週間、わたしらかて
   ものすごい感情の変化を処理しきれなかったりしたのだから、
   当の本人の思いやいかばかりか。
   
   きっと実際にお客さんの前で歌って
   宮本さん自身も ほっとするものがあったのだろうと思う。

   シャウトのところは、ファルセットに変えている。

   会場は、水を打ったような静けさだった。





   歌い終わったところで、お詫びと病気の話しがあった。
   びっくりさせちゃって、がっかりさせちゃって、
   心配もしてもらって、ごめんなさい、と。

   病状で言うと、
   9/1、耳に水が入ったようになって、
   変だな、と思って、布団に打ち付けてみたりした、
   でも治らないので、次の日日曜日だったけど
   見てくれる病院へ行ったら、突発性難聴だと言われた。
   「なんだ、これ」 と思った。
   (突発性難聴知らんのかな、歌手に多いのに)

   ステロイド剤をもらったら ちょっとよくなった。
   その翌日が、「ズレてる方がいい」 の衣装合わせで、
   それに行ったあと、夜中にすごい耳鳴りがした。
   もともと、静かなところでは、耳鳴りがしていいたけど、
   そんな次元ではない、「しゃああああああああ!!!」 みたいな耳鳴りだったので
   驚いて大きな病院へ行った。
   検査をしたら、かなり悪くなっていて、
   先生が、
   「突発性難聴はこんなひどくならないから、入院しましょう。」 と。
   自分は痩せてるけど 元気自慢で、
   入院なんかしたころなかったから、びっくりした。
   翌日もう一回検査したら、もっと悪くなっていて、
   補聴器をつけても聞こえないくらいのレベルだと言われた。
   お医者さんというのは すごいんです。
   手術しましょう、って。

   (すごいというのは、
    突然手術しようなんて、平気で言うんですよ、という意味かな・・・)

   それで、もっとびっくりした。
   で、手術の時に 喉に管を通すから、
   苦味が感じられなくなったり、声がでなくなったりするかもしれませんが、
   命の方を優先しますと言われ、
   はい、よろしくお願いします、といいながら、覚悟した。

   手術は、知らない間に終わって、
   10日入院したけど、たいしたことありません、
   こうやってみんなに会えてるんだから。







   と、いうような話しがあって、
   弾き語り 「悲しみの果て」 を歌う。

   さっきとはちがって、もういつもの宮本さんの歌い方だった。
   だが、力を入れて歌うところは、裏声にしている。
   「お― いえぃ」 がとてもやさしかった。

   「部屋を飾ろう」 の前のコードをかなり探っていた。





   続けて 「約束」。
   ものすごくよかった。
   子音 (特にカ行とサ行) の発音がクリアで力強くて
   清々しさと意志を感じた。
   ファルセットが とてもやさしくて心にしみた。

   『どこまでもいっしょさ、決めたぜ』






   病状の続き。

   ひとつだけいいことがあった。
   実は、4月からマラソンを始めて、7月から禁煙をしていた。
   「浮雲男」が禁煙なんて、おかしいな、どうなってるだろうと思っていたが、
   体力が衰えてた。
   疲れてたんだね。
   休むっていっても、タイミングが難しくて・・・。
   で、入院して、
   声がちょっとよくなったんですよ。
  
   と、うれしそうに恥ずかしそうに笑って言っていた。







   ここで、友人を、と蔦谷さん、昼海さんを呼ぶ。
   「リッスントゥザミュージック」。
   これは、かなりファルセットを使っていた。

   間奏の口笛が、
   ここ数年にはないくらいきれいに出ていた。
   前に、裏声が出ている時は、口笛も出る、というようなことを
   言っていたと思うが、
   ほんまやねんなあ、と驚いてしまった。

   エンディングは、いつものシャウト気味。   
   我慢できなくなったんだろう。






   再び、MC。

   手術の翌日、腰と足が痛くなったので、先生に言ったら
   「ありえない、絶対にない」 と言われた。
   いや、あの、病気に酔うっていうかな、
   俺は手術をしたんだから 特別だろう、みたいな。
   実際、全く関係なかった。

   お医者さんてすごい仕事ですね。

   看護師さんも、変な話し、
   病気じゃないときは、どうしよう、って
   どきどきしちゃったりするけど
   (どういう意味・・・??)
   みんなが働いてるとこみて
   自分は壁を見ながら
   自分の人生を振り返る機会になりました。

   今回も (野音を) やめようと思って、
   でも・・・、
   あっちいったり こっちいったりして、
   ほんとにごめんね。

   (この 『ごめんね』 が、ものすごく素敵だった)

   20数年やってるからとかじゃなくて、ほんとに・・・。
   でも、たくさん来てくれて ありがとうございます。
   来てよかったと思ってます。

   歌うと元気でしょ。
   歌うと元気になるんですよ。

  




   野音なので、古い曲、といって 「月の夜」。
   とてもていねいに歌っていたと思う。
   後半の、バンドが入るところも今日は、アコースティックギターで。
   力強くて、かっこいい演奏だった。

   かなり、力の入った歌い方だった。
   ところどころ 泣き節入るのが、
   せつないというよりは、愛おしい感じだった。





   このあと、ぱらぱらっと雨が降ってきて、
   みんなカッパやビニール袋の用意を始める。

   それに気づいた宮本さんが、

   「雨降ってきちゃった? どうしよう・・・。」

   そして、ステージのひさしの途切れるところくらいまででてきて
   雨の様子を確かめている。

   あかんあかん、
   耳濡れたらあかんから、早く引っ込んで、と思う。
   実際耳が濡れたらあかんのかどうかは知らない。

   「こんな感じなので、寒い人はいいですよ。
    いろいろ・・・、
    古い友だちも出てくるけど・・・・。」

   古い友だちって・・・。







   「もうちょっとやっていいですか」 と言って、
   「うつらうつら」 を歌う。
   
   この歌を聞いていて、
   どういうものか、とても謙虚な宮本さんを感じた。
   もともとこの人は、
   いろいろあっても愛されて育った謙虚な人だと思う。
   それが、調子にのったり、高揚した時に
   激したり、高慢になったりするが、
   それをすぐに反省する素直さがある。

   このコンサートでは、
   いろいろな思いの中、
   宮本さん本来の謙虚さ、素直さが
   ストレートに感じられる、
   真に愛すべき人であったと思う。






   続けて、「見果てぬ夢」。
   後半ひやひやするくらい声を出していた。
   ワンコーラスのみ。






   これも続けて、新曲の 「涙を流す男」。
   初めて聞いた。
   歌詞はわすれてしまったけど
   エピックっぽい言い回しがあったように思う。







   「花男」。

   弾き語りバージョン、めちゃくちゃにかっこよかった!!
   アコースティックギターで
   こんなかっこよく出来るんか、驚いてしまった。
   終わった後、思わず、肩より上の拍手をしていた。






   「俺たちの明日」 は、歌詞が心にしみた。
    
   宮本さんの歌は、
   その心の傷の痛みを知っている人に響くのだ。
   今のわたしの心の傷に、これはしみる。
   宮本さんがもどってくるまで
   わたしはがんばる。
   誓った今日の空、忘れない。
   またステージに戻ってくる日、という星を見続ける。

   今日は、低音がとてもきれいに出ていて
   今までで一番上手に歌えた 「俺たちの明日」 やったと思った。
   
   「自分でいうのもなんだけど、
    この前、ほんとにいい歌だな、と思った。」 と言っていた。
   






   この後、蔦谷さんと昼海さんが出てくるが、
   その間、宮本さんは、
   足の間にギターをはさんで 水を飲んでいた。
   おかしかった。

   「笑顔の未来へ」 も、
   まるで今日のために作られたような歌だと思った。

   『俺は結構都合よく出来ているんだ
    どんな悲しみからも立ち上がるのさ

    お前が望むなら俺はいつでも大見得切って
    かっこよくいたいと思っているよ』


   思いっきり、大見得切ってくれ。


  
   途中のところで、
   「笑顔の、ん、み、み、みらいへ」 と
   椅子からこけそうになりながらうたってたのがおかしかった。







   ここで、メンバー登場。
   大きな拍手。
   石くんのヘアに ざわざわ・・・・。

   (説明しきれないので、RO69でも見てください)

   成ちゃん、ダンディに決まってます。
   トミ、ツアーよくがんばりました。
   石くん、よかったですね、あなたも24年間野音のステージに立てて。

   という紹介だった。

   トミに言った、 「ツアーよくがんばりました」 っていうのが、
   ものすごくやさいい言い方で
   わたしは、自分がトミやったら
   絶対ここで泣いてるな、と思った。

   宮本さん自身も、こうやって入院して、手術して、
   コンサートが出来なくて、
   トミの気持ちに重なるものがあったのかなと思った。




   「爆音が怖くて、今日でライブはしばらくお休みせざるをえないけど
    ま、この通りなんで、必ず、絶対、また・・・・。
    戻ってまいりましたんで、ありがとうございました。」

   『戻ってまいりました』???

   よくわからん。







   そして、バンド演奏で、「ズレてる方がいい」。
   時折、左耳を押さえながら ハンドマイクで歌ってた。
   めちゃくちゃいい声。
   さすがに、自分でいい声、って言うだけあるわな。
   ほんでまた、ものすごくかっこいい。
   死ぬほどのかっこよさだった。

   バンドの音になると、
   宮本さんもバンドの歌い方になるのに驚いてしまった。
   こりゃ、休むしかないな、
   絶対セーブできそうにないもの。

   途中からはアコースティックギターを持って歌っていた。
   かっこいいストローク。
   えぶりばで、連呼。
   もうふつうにエレファントカシマシやった。

   しかし、なんや、あの素晴らしい声は。
   どないせえっちゅうねん。



   この人は天才やと思う。
   歌の才能だけやなくて
   なにか壁にぶつかった時、
   そのことから逃げることなく、
   自然に自分の中にとりこみ、
   苦しみながらも それを糧にして
   高見へ昇って行く。

   それは、人間の純粋さであると思う。
   その純粋さに、
   人は心うたれ、励まされるのであろう。

   今日、病状のことを
   わりと明るく話していて
   ちょっとほっとしたわけだが、
   ほんとうは、
   とてつもない恐怖や絶望や、
   不安や腹立たしさや、
   いろんな思いがうずまいていたことと思う。

   でも、歌を歌うことで元気になって、
   こうやってお客さんの前で歌うことで
   その純粋さが 際立ったように感じた。





   演奏が終わると、宮本さんは、
   お礼を言って帰って行った。

   アンコールしていいものかどうか。

   一度やみかけた拍手が、
   また遠慮がちに鳴りはじめ、だんだんと大きくなっていった。

   決してもう一回出て来て歌ってほしいわけではない。
   この思いを、宮本さんに伝えたい。

   みんなそんな気持ちだったと思う。

   しばらくすると、
   コンサートの終了を告げるアナウンスがあった。

   みんなそのアナウンスをじっと聞き、
   聞き終わると、
   静かに大きく拍手が起こった。

   会場の中も外も、気持ちが一つになった。


   (しかし、終了のアナウンスをして
    拍手をもらったスタッフさんて あんまりおらんやろな)





   帰りは、友人二人と一緒に帰った。
   新幹線の中で、いろんな話をした。
   アイスクリームも食べた。
   行きしなの気持ちとは、まったくちがう。

   エレファントカシマシの復帰がいつになるかは
   わからないことだけど、
   今日、宮本さんの元気な姿を見て、
   素晴らしい歌声を聞いて、
   わたしたちは、光を感じながら その日を待つことが出来ると思った。

   光あふれるその日。

   その日が来るまで
   精一杯生きて行こう。



   一日も早く、次のライブレポが書けますように。








    
   
      
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2012-10-15 : 雑記 :
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